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問題はある朝突然やってきた!オーガニックファームと動物の闘い!

執筆者の写真: yoshiyoshi

大惨事の倉庫


冬の間雪の閉ざされていた当オーガニックファームの倉庫。

自宅から少し離れた畑の端にあり、除雪以外には冬はあまり近寄ることがない。




雪が溶けてきた3月、荷物を運ぶため、夫は朝、春で固まってきた雪を踏みしめ倉庫へ向かった。

シャッターを開けたその先には衝撃の風景が!!




大惨事です・・・

今までこんなに酷い状況は見たことがない・・・


何者かが当農園の倉庫に入り込み、ところ構わず段ボールや肥料の袋を引きずり回して、様々なものを破壊!


こんなことは11年住んで初めて。

しかもここまでのイタズラは見たことがない。

いやこれはイタズラのレベルを超えた、破壊活動としか言いようがない。

綺麗に積んであった肥料は引きずり回され、そこらじゅうに撒き散らされるありさま。

一時保管していた加工品は箱を落とされ、ズタズタにされて中身は粉々に破られて、見るも無惨な姿に。


さらに翌日も更なる破壊活動が繰り返されて、整理整頓されていた倉庫の様子は一変した。


一体何者がこんなことをしたのか・・・

アメリカ時代の若者のパーリーを彷彿させるこの事態・・・

いやパーリーにもほどがある・・・・


「キツネ?? 多分・・・」

「ごんぎつねが撃たれたのもよくわかる」

と夫と私はキツネさんへの対策を講じることを決める。



夫の怒りと素早い行動


普段非常に温厚な夫。流石にこの状況は見逃すことができず、すぐさま役場に相談へ。

その結果いただいた解決方法が罠のオリ。

様々な農産物の被害がある我が町では、小動物対策には無料で檻を貸していただけるのだ。


夜な夜な繰り返される破壊を伴うパーリーに終止符を打つため、夫は非常にクレバーな作戦を立てて檻をセット。

夜の巡回ではまだ何物も近づいた形跡は無く、そのまま朝を待つことに。



犯人確保!

いつになく早起きをして、そそくさと倉庫へ向かった夫。

次の瞬間衝撃の事態が!


なんとわずか一夜仕掛けた罠のオリに、犯人が確保されたのだ!

犯人は・・・・

アライグマ!!




https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/10150.html

↑参照させていただきました。


特定外来生物のアライグマ。

国立環境研究所のデータを見ると、自然分布は北米~中米。

1962年に愛知県の動物園から集団脱出した12頭に由来し、1970年代後半テレビアニメの影響で飼育ブームとなり、各地で放逐・逸出で野生化。

現在では日本全国に外来分布してしまっている厄介な動物。


アニメで描かれるような可愛らしい姿からは想像できない荒くれ者。

例を上げれば

・在来中型哺乳類との競合

・鳥類への営巣妨害

・野生生物の捕食

・農業被害

・文化財を含む建造物への侵入と損壊

・病原体の媒介

などなどたくさんの問題を引き起こしてくれている動物さんだった。


特にここ北海道では農産物の被害は甚大で、トウモロコシ、メロン、スイカ、いちご、トマト、なすなどの農産物の被害に加えて、ビニールハウスの破壊などもたくさん起こっている。

毎年大量の罠をかけて駆除に努めているが、全く追いつかない繁殖力。加えてどんな気候でも生き残ることができる強靭な体。。。


夫は罠にかかったアライグマを見て、勝利宣言!!

がしかし、檻の周りを見ると、明らかに仲間が助け出そうと一生懸命周囲一体を掘り返していたのだ。

夫婦だろうか・・・親子だろうか・・・

心が痛む夫。しかしここは心を鬼にして、次なる惨事を防がなければならないとの思いで、何とか檻を道近くまで運び出すことを決意。


移動中も非常に攻撃的で、威嚇を繰り返し、びびる夫は何とか棒を使って檻の移動に成功。


役場に電話をすると、その後すぐに駆けつけ、アライグマを引き取っていただいた。

仲間がいることを伝えると、更に新しい檻と交換してくれたのだ。


役場のみなさんの素早い行動が本当にありがたい。


この後アライグマは処分されるとのこと。

可愛そうだとも感じるが、困った惨事はもう御免だ。


本当に役場の皆様ありがとう!


そしてキツネさん。

疑ってしまった私たちをどうか許して。

本当にごめんなさい。

キツネは姿の通り、お上品なのかもしれないと改めて思った朝だった。


今回の学び

オーガニックファームを主宰しているから、今回の出来事はやはり見逃すことができない。

今後農産物の被害に加えて、病原体の媒介も懸念があり、被害を防ぐ対策を増やす必要があるとわかった。


1匹で行動していないアライグマ。その繁殖力の高さからイタチごっこになっている現状にもどのように対処できるのか、改めて考える機会になった。


当農園では、鹿の対策に、電牧柵という電流が流れる柵を施し、アライグマなどの中動物に対して罠を仕掛ける対処をとっている。

鹿の対策として、罠や猟銃をお願いすることもある。


毎年のように繰り返される野生動物(野生化した動物?)との戦い・・・


このようなことが、日々起こっていることを、外来動物をペットとして飼育する決める前に、も知っておいてほしいと私は心から思った。


侵略的外来種が引き起こす問題


今回のアライグマのことで、外来種について調べてみた。


↑こちらを参照しました。


日本はなんと野生動物の輸入大国!

資料は古いが、2004年に輸入さえれた動物の数は、貿易統計によると6億を超えると記載されている。この中には届け出義務のない一部の昆虫や魚類は含まれていないそう。

ペットとし飼育されることも多く、これらの生物が野外に逃げ出した場合、各地の自然に大きな影響を与えることも知っておきたい。



まだまだ続く自然との格闘


今回のことも含めて、自然の中で生活をしてみると、想像外の出来事が幾度となく訪れる。

それでも自然の現象から学び、人間としての行動の在り方を考える機会がたくさんある。


自然から学ぶことはやはり無限である。

多くの人がこの大自然に触れて、自分なりの事象に対する見解を持って、行動に移してほしいと思った出来事だった。


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近況をどんどんお伝えするので乞うご期待。


最後まで読んでいただきありがとうございました。



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